| 第295回HSBCが強い味方になるか、交通銀行の魅力
 香港証券取引所の周文耀・CEO(最高経営責任者)の
 A株とH株の同時発行
 (A+H同時上場)に関する発言と
 交通銀行の株式公開を絡んで、
 もう少し補足します。
 周・CEOの発言と交通銀行の株式公開プロセスは、
 それぞれ指摘した、
 あるいは指摘されている時期で
 微妙な相違があることは指摘しましたが、
 さらに、周・CEOは
 AH同時デビューを申請したのは
 2社だと明言しています。
 そのうちの1社が交通銀行かどうかも実は不明です。
 周・CEOは社名を明らかにしていませんし、
 こういう場合は通常非公開です。
 ただ、その1社が交通銀行だとしても、
 もう1社はどこだ、といわれると、
 可能性だけはいろいろ考えられますが、
 交通銀行ほど
 しっかりと方針を示している企業はないだけに、
 限定できないのが正直なところです。
 交通銀行ですが、世界大手の金融グループであるHSBCが
 大型の資本参加をしたことで話題になりました。
 HSBCは現在までに
 交通銀行の19.9%の権益を保有しており、
 HSBCとしては、この関係をてこに、
 中国本土の金融市場進出を加速させたいところで、
 実際にそのように動いているようです。
 ただし、交通銀行が株式上場すれば、当然のことながら
 新株発行することになるでしょうから、
 HSBCの権益は相対的に下がることになります。
 HSBCとしては、
 上場後も現在の比率を維持したいところで、
 実際、交通銀行と協議を進めているようです。
 HSBCがそこまで本腰を入れていることも、
 海外投資家にとっては安心材料になりそうです。
 外資比率といえば、中国資本の銀行など
 金融機関への外資の資本参加は
 原則として25%までとされています。
 現在、HSBCが19.9%だとし、
 これを上場後も維持すれば、
 それを除いたH株(H株も外資扱い)の割合は
 わずかに5.1%となり、
 これでは逆に公開株式が少なすぎて
 規制にかかるともされています。
 平安保険(2318)のように、この規制を例外的に解除されることもあり、
 A株も同時の発行することで
 希薄化させるなどの方法も指摘されていますが、
 またA株も同時の発行することで
 希薄化させるなどの方法も指摘されていますが、
 交通銀行がこれを
 どのようにクリアするのかも、
 焦点となっています。
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