第299回
実務家首脳陣の面子、2005年には必ず政策発表
2005年3月になって、
国務院常務会議で改めて
「資本市場の改革開放と
安定的な発展推進に関する若干の意見」、
いわゆる「国九条(9条意見)」に基づいた
具体的な措置を講じるよう
求められることになりました。
見方によっては、
2004年9月の国務院常務会議と
ほとんど同じことを言っています。
つまり、2004年1月に
「国九条」が発表されて以来、
「国九条」に即した政策がほとんど発表されず、
実施にも移されてこなかったことになります。
正確に言えば、
全くそうした政策がなかったとは言い切れませんが、
少なくとも、現在の長期にわたる
中国本土市場の低迷という局面を
抜本的に打開するようなものは
発表されてこなかったことは、
04年9月と05年3月の国務院常務会議で
ほとんど同じ内容のことが
論じられたことでも明らかです。
そろそろ堪忍袋の緒が切れそうです。
いくら証券市場は微妙で難しい問題といっても、
我慢の限界はあるはずで、
温家宝・首相あたりの苦渋の顔が見えてくるようです。
政治的パフォーマンスならともかく、
経済金融政策において、
過去半年間で2度も同じようなことを
言わねばならない状況に対して、
歯がゆく思っているのは、
首相ばかりでなく、
その周辺の政治家や官僚も一緒でしょう。
現在の中国政府は実務的なことを
一つの売りにしています。
首相の面子もあるでしょうし、
少なくとも今年、それも早い段階で、
何らかの動きがなければならない状況に
なっているはずです。
「国九条」の推進を確認した
05年3月30日の国務院常務会議で採択された
「国務院の2005年経済体制改革深化に関する意見」が
大きな意味を持ってきそうです。
これも2005年の経済体制改革に触れたことであり、
今年中における
何らかの大きな動きがありそうなことを
予感させています。
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