| 第291回AH同時デビューまもなくか、格差縮まるAH
 香港証券取引所の周文耀・CEO(最高経営責任者)は
 4月2日、同取引所が中国企業2社の
 IPO(新規株式公開)の申請を受け付けたことを
 明らかにしました。
 これは、通常のH株上場というよりも、
 H株と同時にA株もデビューさせる計画のようです。
 周・CEOは、はっきりと、「2005年中にA株とH株の同時発行
 (A+H同時上場)は実現すると信じる」
 と語っています。
 今まで、A株を発行していた企業がH株に上場することや、
 H株を発行していた企業が
 新たにA株を上場させることはありましたが、
 A株とH株を同時に上場させる例はありませんでした。
 周・CEO自身、過去に、
 中国企業の香港上場は歓迎するが、
 A+H同時上場は
 香港と中国の制度上の違いから
 実現は難しいとの発言を繰り返していました。
 H株企業、あるいはA株企業が、A株、あるいはH株を改めて上場させる場合も、
 両株価の格差が問題になります。
 同時上場であれば、
 この格差をどのように調整するかが
 さらに難しい問題になるのは明らかです。
 この両株価の格差の問題のほか、上場の手順なども、
 香港と中国では異なってきます。
 また、株価格差にもつながるものですが、
 発行価格の決定メカニズムも、
 特に今までは香港と中国の間で、
 全く違った方式が取られていました。
 しかし、周・CEOはこの4月2日の発言の中で、
 香港証券取引所は、
 香港の証券・先物事務監察委員会(SFC、証監会)や
 中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)、
 上海や深センの両証券取引所と
 十分な協議を重ねてきたことを
 明らかにしています。
 今回の周・CEOの発言は、「(中国と香港の関係機関が)協議を重ねて、
 A+H同時上場の枠組みを構築した」
 ということで、
 A+H同時上場の実現が
 かなり前進していることを
 物語るものとして注目できます。
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