第290回
今後のデンウェイ、投資判断引き上げは妥当か
駿威汽車(デンウェイモーター、0203)は
2004年4月29日に株式分割を行っています。
その株式分割後の翌30日の終値は3.72香港ドルでした。
その後、2004年の自動車業界不況のあおりもあって、
株価パフォーマンスも低迷、
2005年1月18日には安値2.58香港ドルまでつけました。
2月後半までに3香港ドルを
何とか回復する場面も見られましたが、
3月を通じて、基本的には3香港ドルを
下回る水準で推移しています。
前回紹介した
スミス・バーニー証券による投資判断と
目標株価の引き上げは、
こうしたパフォーマンスを繰り返した中で
発表されました。
確かに同証券が言うように、
悪い材料は出尽くした、
少なくとも今後短期間で
出尽くすことが予想されます。
デンウェイモーターの子会社である広州ホンダは、
中国においては、両VW(上海VWと一汽VW)に
匹敵するほどの経営の良さで知られています。
また、デンウェイモーターと
密接な資本関係にある広州汽車も、
グループとしての上場を目指すと発表したほか、
中国自動車業界のビッグ3
(第一汽車、上海汽車、東風汽車)にも
匹敵するほどの実力をつけることを目標に、
着実に業容拡大しています。
広州汽車のそれらの内容を網羅したものが、
3月16日に「5カ年計画」として
まとめて発表されています。
それによれば、
2007年の販売台数は66万台、売上1000香港ドルを、
2010年には130万台の生産体制を敷き、
売上2000億香港ドルを目指すというものです。
これを実現すれば、ビッグ3には及ばないものの、
中国第4の自動車メーカーグループになることは
間違いありません。
私個人としても、
スミス・バーニー証券による今回の見方は
正しいと思われます。
ただし、同社が今回引き上げた目標株価は、
04年4月29日の株式分割後の水準にも及ばないものです。
それだけ、04年の中国自動車業界を襲った不況、
あるいは市場の判断というものが厳しかったわけですが、
05年下期以降の回復期待もあり、
逆に、今後の株価パフォーマンスの可能性を
感じさせるものともいえます。
−デンウェイモーターの株価推移移−
(04年4月30日から05年3月24日までの株価推移) |
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