第287回
2月の乗用車生産販売台数が急落、今後の展開は?
2月の中国の自動車市場に関するデータが
発表されています。
それによれば、乗用車の生産台数は
前年同月比23%減の14.42万台、
上位トップ5による乗用車販売台数は
前月比30%減の6.22万台にとどまりました。
2002年から2003年ごろにかけての急成長とはウラハラに、
2004年以降、冬の時代を迎えている
中国の自動車市場ですが、
今年もあまりで出しはよくなさそうです。
2月の低迷の影響は、
日数がほかの月と比べて短いほか、
「春節(旧正月)」との関連が
強いともいわれています。
1月のデータを見ると、
乗用車生産台数は
前年同期比27.7%増の18.46万台で、
単純な台数ベースでは8カ月ぶりの高水準となり、
販売台数では、前月比25.7%減も、
前年同期比17.1%増の17.78台となっていました。
これも、「春節」が前年は1月にあったことに関する、
いわば数字のトリック的な要素が含まれています。
ただ、全体的に、
メーカー側が在庫処理のスピードを上げていることは
間違いありません。
在庫処理の方法としては、主に減産すること、
値下げして売りさばくことが挙げられており、
メーカーによる減産は
そのまま生産台数に影響します。
値下げについては、
2004年以降特に見られる現象ですが、
現在でもそうした影響が顕著で、
今後も続きそうです。
だからといって販売台数が伸び悩んでいるのは、
明らかに消費者側が
よりいっそうの値下げを待つための
買い控え心理が働いているようです。
さらに、相対的な人民元安により、
部品価格の上昇もあって、
中国の自動車メーカーの利益を圧迫している、
との指摘もあります。
2月の自動車販売のランキングは、
1位が上海VW(1.52万台)
2位が北京ヒュンダイ(1.37万台)
3位が一汽VW(1.31万台)
4位が広州ホンダ(1.11万台)
5位が上海GM(1.01万台)となっています。
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