| 第283回万科企業のA株とB株の株価逆転現象をどう見るか
 万科企業について、最近、ちょっと面白い現象が起きました。
 3月14日の終値で、B株価格
 (5.37香港ドル、人民元で5.69元換算)が
 A株価格(5.68元)を上回りました。
 H株ではたまに起きることではありますが、
 調べてみると、B株では異例です。
 10年以上になる中国本土株式市場で、
 こうしたケースは
 過去に3例ほどあるのみということです。
 しかも過去の3例とも、
 A株とB株、双方弱含み、
 あるいは急落する中で生じたケースであるのに比べて、
 今回の万科企業は、A株とB株、
 双方とも堅調に推移する中での逆転現象です。
 中国本土株式市場では、A株は過大評価、B株は過小評価、というのが原則です。
 H株も含めて考えると、
 B株が過大評価されているのに対して、
 H株が過小評価される傾向にある、ともいわれます。
 流動化が進む中で、
 この原則が必ずしも現実を反映しないケースが
 増えてきましたが、
 大雑把に考えて、
 A株>B株>H株という「公式」は、
 相場を見るうえでは
 まだ有効な場合も多いのが現状です。
 さらに、もう一つの法則としては、優良銘柄ほど、それらの格差は非常に小さくなる、
 というものです。
 例えば、A株株価をB株株価で割ると
 その格差が出てきますが、
 B株平均で1.5から2.0、
 あるいはそれ以上になるケースもあります。
 万科企業の今回のケースですが、一つには、優良銘柄としての評価が高まったため、
 といえるかもしれません。
 格差が小さければ小さいほど
 優良銘柄であるとすれば、格差が逆転する、
 そのこと自体は、
 優良銘柄であることを証明することになるからです。
 為替との関係もありますが、
 この3月14日を中心として、
 万科企業のA株株価をB株株価で割る数値は
 1.0を切ることが多くなっています。
 
           
            | −万科企業のA株とB株の株価の推移− (2004/5/26〜2005/3/22の各日終値)
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