第281回
「消費」は前年を上回る堅調も、消費活性は実を結ぶか
「消費」つまり、社会消費財小売総額のお話を続けます。
中国における
最重要の祝日である「春節」には
当然、「消費」も伸びます。
「消費」、つまり社会消費財小売総額で、
前回紹介した2005年の1月と2月の間で
伸び率に差が出たのは、
2004年の「春節」が1月にあったのに対して、
2005年の「春節」が2月にあったことによるものと思われます。
また、農村部よりは都市部のほうが
伸び率が高くなっているのも特徴です。
さらに、これら消費の中でも
外食産業のバロメーターともいえる
飲食業という分野では
2005年1−2月における前年同期の伸び率は、
平均を上回る17.1%増となっています。
「消費」も伸び率に注目してみましょう。
1年前の2004年1−2月の伸び率は平均で10.5%。
そのうち、飲食業では15.6%でした。
2004年初頭は鳥インフルエンザなどもあって、
食品分野での落ち込みがありましたが、
それでも2005年1−2月の伸び率は
それを3ポイント以上上回っています。
また、2004年通年での伸び率は13.3%ですから、
今回の2005年1−2月の伸び率は
それと比べても若干高い水準といえそうです。
2004年通年を通じて、
13.3%成長となった「消費」。
2003年通年は、新型肺炎SARSなどもあり、
この伸び率がわずかに9.1%でしたから、
2004年の中国の「消費」は堅調だ、
と評されたわけですが、
2005年はどうなるのでしょうか?
スタートともいえる1−2月の数字だけを見れば、
堅調といわれた2004年を上回る成長が
期待できるといえるでしょう。
前回もお話した「投資」、
つまり固定資産投資ですが、
中国政府では、
この「投資」の過熱を抑制すると同時に、
一連の「消費」活性化策、
つまり、個人消費の底上げを狙った政策を実行しています。
2005年はその真価が問われるわけですが、
上々の滑り出しといえるでしょう。
2005年1−2月、「投資」は24.5%、
「消費」は13.6%というそれぞれの成長は、
押さえておきたいところです。
それぞれの特徴はすでに指摘したところですが、
全体として、以前にもお話したとおり、
まだまだ供給(「投資」)が
需要(「消費」)を上回っているというのが、
中国経済の全体像で、
この傾向は2005年も変更ないようです。
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