| 第280回05年1−2月「投資」24.5%増、「消費」13.6%増の真実
 先日、立て続けに2005年1−2月の中国の「投資」と「消費」の統計が発表されました。
 「投資」つまり、固定資産投資総額
 (企業の設備投資、公共投資、不動産投資など)は、
 都市部限定のものですが、
 前年同期比24.5%増の4222億元。
 特に注目したいのは伸び率です。
 これが大きくなれば、
 当然、中国政府は
 更なる引き締めを考えなければなりません。
 そうなれば、中国経済や企業業績、外資進出など、
 あらゆる面に影響してくるはずです。
 前年、つまり、2004年の1−2月の都市部固定資産投資は
 実にその前年同期と比べて
 53%増となっていました。
 この53%という数字は
 すべての平均値ということですが、
 業種ごとに見てみると、
 特に製造業を中心に
 三桁成長になっていたことも珍しくないほどでした。
 2004年のテーマとなった景気引き締めは、
 この53%や三桁成長という投資の過熱振りの抑制を
 目的としたものです。
 それに比べると、2005年1−2月の前年同期との伸び率は
 半分以下に収まっていることになります。
 また、2004年通年の投資の伸び率は25.8%でしたが、
 この水準も2005年1−2月の前年同期との伸び率は
 下回っています。
 プラス成長である限り、
 実額は着実に伸びているのですが、
 その伸びに一定のブレーキがかかった、
 という見方はできるでしょう。
 これをもって一概に、中国政府の過熱抑制策は一段落する、
 とは当然言えませんが、
 中国政府が政策の効果が出たことを
 強調することになるのは間違いありません。
 一方、「消費」つまり、社会消費財小売総額は、1−2月で前年同期比13.6%増の1兆313億元でした。
 1月だけで見てみると11.5%増、
 2月が15.8%増となっています。
 1月と2月の間で伸び率に差が出たのは、
 「春節(旧正月)」との関係です。
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