第279回
ペトロチャイナ決算:今後の業績と株価について
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)の
決算発表と関連して、
今後も原油価格は
高い水準で推移することが予想される中で、
機関投資家各社とも同社の今後の業績には
楽観的な見解を示しています。
例えば、JPモルガン証券は、
国際原油価格予測を踏まえたうえで、
2005年も順調に増益を達成することになると
予測しています。
JPモルガン証券では、
「西気東輸(西のガスを東に送る)」プロジェクト、
石油精製事業及びマーケティング事業の好調、
さらには親会社からの川上事業注入などが
好材料になるとの見解を示しています。
一方で、2006年になると
国際原油価格も若干落ち込むとされ、
同社も2005年と比べて
減益になる可能性が指摘されています。
この見解はある意味では妥当で、
さすがにすでに香港上場企業中
最高純益となった同社が、
このまま継続して急成長するというのは考えづらく、
いずれ、ストップすることも十分に考えられます。
ただし、常識的に考えて、
前回の最後でも指摘したように、
中国における石油や石油化学の中国におけるニーズは
今後も増えることはあっても減ることはありません。
規制緩和による民間企業などの参入という
新たな課題に直面することになるとは思いますが、
石油という戦略物資を牛耳る
国策的な会社としての同社の業績は、
今後数年を見据えた上でも、
多少のアップダウンはあっても、
総じて安定して推移していくことが予想されます。
JPモルガン証券では、
同社の目標株価を6香港ドルとしています。
3月16日終値が5香港ドル足らずですので、
もう少し、20%ほど伸びる可能性を示唆しています。
ここ1年ほどのレンジで見てみると、
同社の株価は3.20香港ドルから
4.97香港ドル程度で推移しています。
特に今年に入ってからは調整などはありながらも、
好決算への期待感などもあって、
基本的には右肩上がりの軌道を描いています。
そのため、やはり短期的には
6香港ドル程度が目標となり、
その後、調整が入るという可能性も大きくなります。
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