第278回
ペトロチャイナ決算:50%増益が意味するもの
多くの方が注目されていたので、
すでにご存知の方も多いと思いますが、
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)の
2004年12月期本決算が
2005年3月16日に発表されました。
最終利益は前年と比べて
47.9%増の1029.27億元となりました。
これは同社にとって
過去最高純益であることはもちろん、
日本の中国株取引では
すっかりおなじみの中国石油天然気ですが、
香港上場企業の中でも、
最終利益ベースで最大の企業という地位も
維持しています。
考えてみれば、
今回の最終利益は日本円に直すと
1兆3000億円程度にもなります。
最終利益でこれだけ出す企業を
日本の中で探そうとすると大変です。
ちなみにトヨタの最終利益は連結で
1兆2000億円から1兆3000億円とされていますから、
それと匹敵か、
それを超えるほどということになります。
そうした中での50%に近い増益率を
はじき出すというのは、
通常で考えれば
非常にレアなケースということができるでしょう。
同社の発表では精製事業やセールス方面での伸びが
今回の増益を支えたとしています。
ただ、原油生産量は0.5%増、加工量は12.3%増です。
主力事業の伸びがこの程度にとどまっている中で、
今回の大きな増益を実現できたのは、
やはり原油価格の高騰なども
要因としては挙げられるでしょう。
1年前の2003年本決算で、
同社は過去最高純益、
香港上場企業中最高純益の栄冠に輝いた一方で、
その後の成長に対しては、悲観的な見方も多く、
株価は伸び悩みました。
それに対して、私は以前、
同社はまだまだ伸びる余地があると
指摘したことがあります。
今回それが証明されて私もほっとしていますが、
しかし、そう指摘した2004年4月の時点で、
2004年通年の同社が
50%近くの増益を達成するほどになるとは
考えていませんでした。
今後も石油や石油化学の中国におけるニーズは
堅調であることは間違いありません。
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