| 第277回買収発表及びその後のレノボの株価を見極める
 2005年2月、聯想(レノボ、0992)は、携帯電話300万台を購入、
 携帯ローエンド市場の攻略を進める方針を示しました。
 もともと聯想では、携帯電話分野にも注目、
 事業を活発化させてきましたが、
 中国における携帯電話300万台というのは、
 通年の販売台数の3%程度に達するもので、
 小さいものではありません。
 しかし、それでも聯想はパソコン(PC)です。携帯電話の関連事業は、
 聯想の全売上の10%も占めていません。
 赤字から脱却できるかどうかの事業です。
 やはりPC分野に注力していかなければならないでしょう。
 IBMのPC事業買収及び連携を
 てことしたいところですが、
 現在までに必ずしもうまくいっているとはいえないようです。
 アメリカ政府から「待った」がかけられそうになったことが代表的なのですが、
 中国企業としては
 例を見ない国際的な買収劇であるだけに、
 もろもろの反発は大きいようです。
 聯想の買収に嫌気をさすIBMの既存顧客も
 少なくないといいます。
 当てにしていた、既存顧客がいなくなれば、
 せっかく借金もまとめて請け負う形での買収が、
 自分の首を絞める結果になりかねません。
 ただし、05年6月に買収作業が完了する見通しとなった今、
 その後のことに注目すれば、
 少し長いスパンで考えると、
 株価としても面白いパフォーマンスを見せる可能性があります。
 04年11月には3香港ドルをつけましたが、
 上記のような理由もあって、
 12月の買収発表を機に下げました。
 05年1月21日には約半年ぶり安値となる
 2香港ドルとなりました。
 その後、アメリカ政府からの買収「待った」で、むしろ反発、
 3月にはいってからは2.3香港ドル付近で推移しています。
 しかし、3月10日の買収OKとの報道があった直後は8%上げて
 2.5香港ドル程度をつけています。
 IBMとの買収以前の収益予測としては、06年3月期のEPS(1株当たり利益)が0.18香港ドル程度、
 07年3月期が0.20〜0.22香港ドルというのが、
 香港現地の見方のようです。
 PER16〜20倍程度と考えれば、
 単純に06年3月には2.9〜3.6香港ドル、
 07年3月には3.2〜4.4香港ドルとなります。
 しかも、3月10日のような急激な上げも
 期待できないわけではありません。
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