第276回
HPやデルの猛追を振り切れるか、シェア伸び悩むレノボ
アメリカ政府からの思わぬ「待った」が
かけられそうになったものの、
それもクリアして、2005年6月には
IBMのPC事業買収を完了させることがほぼ確定した
聯想(レノボ、0992)は、
04年の日本を除くアジア・太平洋地域におけるシェアで、
12.3%となって、不動のトップ。
しかし、海外大手が猛追してきています。
例えば、シェア第2位の
HP(ヒューレット・パッカード)は、
03年には9.4%でしたが、
04年には10.3%にまで拡大しています。
第3位は買収及び連携が決まっているIBMですが、
IBMのシェアも03年の6.8%から
04年には7.4%となっています。
第4位は、特に中国市場で
熱い戦いを繰り広げているとされるデルで、
やはり、03年の6.1%から
04年には7.2%に伸ばしています。
一方の聯想は、
04年も第1位とはなりましたが、
シェアの幅は03年と変わらずです。
04年10−12月だけをみれば、
聯想の日本を除くアジア・太平洋地域でのシェアは、
04年通年を上回る13.1%に達しており、
事実、同期間中の聯想のPC販売は
前年同期比19%増となっています。
それでも、厳しい状況は変わりません。
今年に入ってから、厳密にはもう少し早く、
聯想とIBMによる買収と連携が
正式に発表された前後の昨年12月あたりから、
デルによる中国市場の攻勢が
目立つようになってきています。
聯想とIBMによる買収と連携は、
その発表当初から、
聯想にとっては不利といわれることも多く、
またIBMの顧客流出も想定されました。
そうした混乱に付け込んだかどうか、
デルが、一番いいタイミングで
競争を仕掛けてきたといえます。
05年2月になって、
デルはノートPCの方面に力を入れ始め、
聯想を意識した戦略をし始めています。
さらに、デスクトップPCでも、デルは、
中国市場においてはじめて、
あるスペックの同種製品間において、
聯想の製品価格を下回るものをリリースしています。
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