第275回
最も就職したい会社レノボのIBM PC事業買収にGOサイン
2004年12月、聯想(レノボ、0992)が
IBMのPC事業を買収しましたが、
2005年1月の終わりになって、
怪しい動きになりました。
この買収に対して、アメリカ政府が
難色を示し始めたことが伝わり始めました。
理由としては、
先端技術やアメリカ政府が使用している
IBM製品の情報などの中国の流出が指摘されていました。
実際1月末に、対米外国投資委員会(CFIUS)が
この件に関して調査する方向が示され、
ここから、1カ月に及ぶ聯想やIBMにとっては
眠れない日が続くことになります。
ただし、3月10日になって、アメリカ政府から
GOサインがでる可能性が大きくなったと報道されました。
予定通り、2005年6月に
買収にかかわるすべての作業が完了する旨が
聯想とIBMから発表されたのです。
これを好感しては、聯想は10日の終値で、
前日終値8%程度上げています。
その翌日は反落していますが。
改めて、聯想という会社について、
少し考えてみますと、
中国国内では知らない人がいない
というぐらいの有名な企業です。
中国で調査された、
一番就職したいIT企業にも選ばれていますし、
2005年1月には新卒(学部)の初年度年収が
業界平均を1.5万元ほど上回る
5.5万元(約68万7500円)だとも発表されました。
通常、上海などの大都市でも、初任給は、
2.5万元程度でも珍しくないともされる中で、
聯想がいかに高給かが
お分かりいただけると思います。
本業のパソコン(PC)でも、
日本を除くアジア・太平洋地域におけるシェアは
不動の第1位を続けています。
日本を除くアジア・太平洋地域の
04年通年のシェアは12.3%、
同年10−12月だけを見てみると、13.1%に達します。
中国だけのシェアでは20%台後半、
まもなく3割に到達するのではないかと見られています。
ただし、この分野ではうかうかしていられません。
聯想を追随する海外大手が、
アジア・太平洋地域のシェアを
確実に伸ばしていることは
疑いようのない事実です。
また、中国国内でも、
世界のPCの巨頭である米デル社との激しい競争が
伝えられています。
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