第270回
1000億円の資産を持つ人とその日食うに困る人の共存

エネルギー問題ばかりでなく、
現在、日本でも注目されている
中国経済の問題点並びにリスクとしては、
貧富の格差が挙げられます。
北京や上海などの沿岸地域と
西部地域との格差、
都市部と農村部の格差、
都市内及び農村内での格差、
さまざまなところで、
大きな富及び所得の格差が存在しています。

2003年の中国の長者番付で
第1位となったのは、
中国のポータルサイト大手
「網易(Netease)」を運営している
会社のトップである丁氏です。
網易は米ナスダックに上場しており、
SMS(ショート・メッセージ・サービス)や
オンラインゲームの大ブレイクで、
2003年を通じて株価が数十倍に急騰、
そのため、自社株を多数保有している丁氏が
一躍、中国最大の富豪となった、
という経緯があります。
丁氏の個人資産は、当時の資産価値で、
日本円にして1000億円近くにも達しています。

ちなみに、04年に注目されたのは、
以前もお話した
中国オンラインゲームベンダー最大手の
盛大互動娯楽(盛大網絡、SHANDA)の陳天橋・董事長。
盛大網絡は04年に米ナスダックに上場、
時価総額などを考えれば、
一時の勢いのなくなった網易の丁氏を
上回る資産を保有しているともされています。

ともあれ、個人資産が日本円で
1000億円相当に達するような人もいれば、
その日食うにも困る人もいる、
というのが中国です。
こうした格差の感覚は、日本にいては、
なかなか理解できないものかもしれません。
また、上海や北京だけを見ていても
分からないかもしれません。
ただ、これ自体は、米国などでも
同じような富の格差の現象は見られます。
よく言われるシナリオとしては、
この格差が社会不安を増長、
共産党政権を脅かすのではないか、
というものです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年3月8日(火)

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