第271回
貧富の格差解消に本腰入れる中国政府には評価が必要

貧富の格差が
中国共産党政権を脅かすかどうか、
これが本当に実現すれば、
中国共産党は、トウ小平氏の
「富める者から先に富め」
という方針を進めてきただけに、
自分で自分の首を絞めることになるわけです。

「富める者から先に富め」
という方針が見直され始めているのは
間違いありません。
貧富の格差について、その深刻さは、
実は中国共産党政権が当然のことながら、
一番良く理解し、把握しています。

2000年から始まった「西部大開発」も、
西部地域の資源の有効利用や
東部沿海地域の更なる発展を目指すものですが、
貧困地域が集まっている西部地域の活性化が
目的の一つであることはいうまでもありません。
2004年からは、
もう一つの経済停滞地域とされていた
東北地域に対しても、
「東北振興」プロジェクトを始動させています。

また、2002年ごろから提唱され、
2004年から最重要国策として
位置付けられたのが「三農」です。
農業の振興、農村の経済成長、
農民の所得増と負担減を実現するというものです。
これも、貧困地域が多く存在する
農村部分の改造を進めるためのもので、
貧困対策です。
「三農」は、05年も引き続き、
最重要国策として提起されています。

こうした成果は上がりつつあります。
都市部の1人当たり可処分所得は、
04年1−9月で前年同期と比べて
実質7.0%増でしたが、
農村部の1人当たり純収入は同じ時期、
やはり実質11.4%の成長を見せています。
農村部収入増が都市部所得増を上回るという現象は、
ここ最近では全くみられなかったことです。
(2004年通年では、結局、
 都市部の1人当たり可処分所得は7.7%増、
 農村部1人当たり純収入は6.8%にとどまりました)

中国の貧富の格差は、深刻は深刻です。
ただし、中国政府も
手をこまねいているわけではありません。
むしろ積極的に対応しているのが現状です。
このあたりを過小評価する論調が
あまりにも多すぎるような気がします。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年3月9日(水)

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