| 第257回自動車へのクレーム件数急増、消費者ケアが鍵に
 中国消費者協会は、2004年における自動車へのクレームが
 前年比31.6%増となったことを発表しました。
 中国におけるマイカーブームは、
 2004年に低迷したとはいえ、
 確実に底辺は拡大していることは、
 時代の流れです。
 クレームも若干増えるのは、
 ある意味では、やむをえないかもしれませんが、
 04年通年の自動車販売台数は
 15%程度の増加とされていますから、
 それを上回るクレームの増加は
 やはり多すぎるといえます。
 自動車は高価で高い安全性を最優先にすべき商品であることは
 いうまでもありません。
 不適切な処理を行なえば、
 人命や財産に危害を及ぼすことも十分ありえます。
 そもそもが、中国の人々は全般的に、
 品質に対しては、こだわりが大変大きいものです。
 当然、高価な買い物であればあるほど、
 その傾向は顕著になります。
 このあたりをケアできなければ、
 中国市場で生き残ることは難しいのでしょう。
 品質問題によるクレームは全体の70.5%。前年比で32.9%の上昇となっています。
 エンジンの故障、ガソリン漏れなどが中心のようです。
 報告によれば、中には、自動車を購入後、
 その帰宅途中にエンジンが故障した
 というケースもあるようです。
 こうしたことは、高額商品であるだけに、
 消費者に対する心理的にも大きな負担となり、
 最悪の場合、
 消費者の自動車市場に対する信頼性にも直結します。
 今回の報告では、メーカー名などの具体的なことは
 分かっておりませんが、
 クレームが増えているのは、
 業界全体にとって、
 決して朗報とはいえません。
 ただでさえ、
 まだまだ冷え込みから脱することのできない
 自動車市場において、
 今回の報告で表れたような傾向は、
 状況悪化を後押ししかねません。
 こうしたことに積極的に対応する、できるメーカーが、
 最後には強くなるでしょう。
 業績や販売状況はもちろん大事な情報ですが、
 消費者に対するケアも、
 その銘柄の成長性に関わってくることになりそうです。
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