| 第256回発表され始める2005年の経済指標、地域経済も
 2004年通年の経済指標見直しの動きとともに、2005年の経済指標も発表され始めています。
 中国の05年1月の輸出総額は
 951億ドルとなったことが発表されました。
 04年通年では35%以上の成長となって
 1兆ドルの大台を初めて超えた中国の貿易額ですが、
 今年も順調なスタートを切ったことになります。
 1月は輸出で前年同月比42%増、輸入で24%増となっています。
 輸出堅調で、単月の貿易黒字は
 64.8億ドルにもなりました。
 04年通年では300億ドルを超える貿易黒字でしたが、
 04年前半はずっと貿易赤字となっていたのと比べて、
 05年は最初から貿易黒字です。
 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は先日閉幕、人民元切り上げが重要課題として取り上げられましたが、
 以前にもお話した通り、
 中国政府は外圧に屈することなく、
 既定の方針を貫く姿勢をより明確にしましたが、
 1月の貿易黒字の増大だけを見れば、
 今年、人民元切り上げ圧力が
 再度の高まりを見せそうな状況にもなってきています。
 輸入は24%増となりましたが、輸出と比べて低い水準にとどまった一つの要因として、
 原油輸入量の減少が上げられます。
 季節的な要因もあるでしょうが、
 1月では前年と比べて24.1%減となっています。
 昨年の国際原油価格の急騰は、
 中国の輸入量増大も大きな要因として
 クローズアップされましたが、
 その傾向はやや鈍化するかもしれません。
 流れとして、統計のお話が多くなりました。指摘するまでもなく、
 香港はともかく、中国本土市場では、
 日米の市場のように統計データに
 敏感に反応する性質のものではありませんが、
 それでも統計データからは、
 相場の周辺状況がいろいろみえてくるものです。
 統計がらみのお話をもう少し。
 GDP(域内国内総生産)の実額で、最も大きな省はどこかといえば、広東省です。
 人口の多さ、経済的な実力など、
 地域別で見れば、最も強い力を持っています。
 広東省に次いで、今回第2位に躍進したのが山東省です。
 2004年、山東省では
 15%を超える経済成長を実現、
 江蘇省を抜いて、経済規模としては
 広東省と比べて550億元差に迫る
 1兆5490億元となりました。
 上海市や北京市など、日本になじみのある地域よりも、
 広東省、山東省、江蘇省などのほうが、
 地域全体としては経済力がある、というのが現実です。
 「地域経済」も
 今後のポイントになってくる可能性があります。
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