| 第253回マクロ調整の中で金属80%増益、石炭190%増益
 国有資産管理委員会(国資委)は、2004年の国有重点企業474社の利益総額が、
 前年と比べて50%近く伸びたことを発表しました。
 実質的な景気引き締め策の
 マクロ調整策がとられた中でも、
 非常に高い水準で、
 中国の企業活動は推移したことになります。
 特に伸びた業種としては、
 石油化学、金属、石炭、機械、建材、化学工業などが
 挙げられています。
 例えば、金属業界では38社が対象となっていますが、利益総額は前年比83.9%増の715.8億元になっています。
 その中心が鉄鋼などになりますが、
 中国株でも鉄鋼は中心的なセクターですし、
 04年業績の好調が予見されているといえるでしょう。
 ただし、金属業界の利益の伸び幅は、前年は90%を超えていましたので、
 今回はその水準を下回ったことになります。
 前年90%を超える伸びをみせて、
 なお、翌年も80%を越えたのですから、
 それはそれですごいことですが、
 急成長にかげりが見え始めたのも事実でしょう。
 また、石炭業界では、32社が対象となっていますが、
 利益総額は前年比2.9倍の205.3億元となっています。
 実に190%増益です。
 04年の中国経済の一つの特徴として、
 発電用をはじめ、各種石炭が欠乏、
 輸送事情の悪化も重なったことが挙げられます。
 こうした事態は、一部の業種では
 コスト増を招くことになりましたが、
 石炭関連企業にとっては、
 製品価格の上昇に伴う、
 利幅の拡大につながったようです。
 ただし、一部では、石炭の出荷価格自体それほど上がっておらず、
 高騰したのは輸送費や中間マージンだ、
 との指摘もあり、
 石炭メーカーそのものが
 暴利をむさぼったわけではなさそうなのですが、
 それでも、業界全体が急成長したことには
 変わりありません。
 一方で、電子関連業界などではマイナス成長になるなど、
 業界ごとでも明暗を分けています。
 これらの国有重点474社の業績が、
 実際の上場企業業績に
 どのような影響を与えているのかは、
 各社の決算発表を待たなければなりません。
 国有資産管理委員会(国資委)による国有重点企業の業績は、
 毎月月末か翌月初めに
 その前月(あるいは前々月)までのものが発表されます。
 今後チェックしてみるのもよいかもしれません。
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