第241回
上海:証券会社が喫茶店に「冬の時代」を体感
1月10日から1月12日まで、
上海に行ってまいりました。
考えてみれば、上海にゆっくり行く機会から遠ざかっており、
昨年北京に出張に行って、
上海に日帰りで行った以外で、
「上海に行った」というのは
実に2年ぶりのことになってしまいました。
遅くなりましたが、
上海リニアモーターカーにも乗ることができました。
時速430キロを地上で体感できたのは
いい経験になりましたが、
走行中の揺れが結構大きかったり、
まだまだ改善することのできるもの、だと思いました。
上海リニアは経営がうまくいっていない、
というのは紛れもない事実です。
ある報道では、通常の経営では、
建設のための借入金の利子さえも
払えない状態であるといいます。
当初設定したチケットは片道150元。
これが現在では50元になっています。
50元になっても、実際、
空港から市街地に向かう路線では、閑散としており、
経営難の実情を垣間見ることができました。
(逆方向は比較的人が乗っており、
普通席は80%ぐらいの乗車率のような感じでした)
それを棚上げして、現在では、
上海−杭州の間のリニア建設が計画されています。
現状においては、ちょっと無謀だとは思いますが、
上海と浙江という、経済力を考えれば
先進国並みの地域なので、
「やってしまうかもしれない」という気にはさせます。
通常、高速鉄道でも2時間ぐらいかかる上海−杭州間を、
リニアだと20−30分程度ですむということですが、
料金は片道軽く1000元を超えることになるのは間違いなく、
上海市民も若干呆れ気味でした。
現在、北京−上海の飛行機でも
安ければ300元を切るという時代ですから、
いくら速くても、現実のリニアの費用対効果は
厳しいものがあります。
2年ぶりとはいえ、それ以前までは、
比較的頻繁に上海などにも行ってましたので、
今回大きな変化はあまり感じられませんでした。
ただし、上海の人が、
「ここは以前、証券会社の営業所だったんだ」と、
きれいな喫茶店を指差して教えてくれました。
以前もご紹介したとおり、
現在の中国の証券会社は
「冬の時代」を迎えているようです。
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