第237回
中国本土IPO解禁、そのシグナルを追う
中国証券監督管理委員会
(CSRC、証監会)は1月14日、
2004年8月から凍結していたIPO(新規株式公開)を
解禁すると発表しました。
2004年の終わり、IPOの解禁は
「春節(旧正月)」
(今回は2月9日が「正月初一」)前後、
実質的にはその大型連休が明けてからではないかと
予想されていましたが、
この予想を1ヵ月近く早めて、
解禁が実現しました。
この発表を受けて、翌週月曜日の17日、
当然のように中国本土の主要指数は
軒並み大幅に下げました。
最重要インデックスとされる上海総合指数では、
再び5年以上ぶりの安値を更新しています。
中国では、「ブラックマンデー」という呼び方が
非常に多用されますが、
将来的に、2005年1月17日もその一つとして
語り継がれることになりそうです。
実は、IPO解禁のシグナルは
それ以前よりも出ていました。
1月7日には、華電国際電力(ファディエンパワー、1071)が、
2005年1−3月の間でA株のIPOを
実施するのではないかとの市場観測が報じられました。
当時において、IPO解禁のタイミングは不明であったため、
華電国際電力のA株IPOがもし本当に実現するのであれば、
中国本土のIPO解禁は間近、ということになります。
ただ、中国や香港では、根も葉もないうわさが
あたかも本当のことのように報じられる場合があるので
注意が必要です。
しかし、この華電国際電力のA株IPOについては、
1月12日にも再び報じられました。
このときは、実は1月17日に
ブックビルディングを開始する、
という非常に具体的な内容でした。
このときの報道について、
華電国際電力は否定しています。
あくまでも、CSRCの認可が下り、許可されてから、
という立場を示したものです。
CSRCの監督管理を受ける上場会社としては
当然の反応といえるでしょう。
しかし、1月14日になって、
CSRCがIPO解禁の正式発表をする直前に、
華電国際電力のA株IPO報道が
もう一度沸き起こりました。
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