第236回
本土の低迷は今年で終わり?最悪のシナリオも
中国本土市場はすでに4年近くもの間、
低迷を続けています。
これについて、今後も低迷が続くかどうかは
議論が別れるところです。
ただし、年初ということもあって、
楽観的な意見も多いようです。
そうした意見では、
今回の長期低迷はすでにその継続について、
あらゆる面で限界と見ています。
政治的な判断としても、
これ以上株式市場が低迷を続けるようであれば、
投資家からの不満の突き上げもさることながら、
長期的な展望として、
いくら資本市場の育成を掲げようとも到底実現は不可能、
金融リスクの増大にもつながり、
政治的にも、社会的にも
安定を逸することになるといいます。
経済的にも、たとえば、以前に紹介したように、
証券会社の顧客資産流用など
非常に深刻な問題になっており、
こうした問題を含めて、
そうした株式市場にまつわるすべての損失について、
国が資本の注入を続ければ、
一時的にはそれで問題が解決したとしても、
国民の感情やそのほか派生する問題が
大きくなることは目に見えています。
そのため、2005年は長期低迷から、
何らかの形で脱することになるだろうし、
脱しなければならないという結論になります。
ただし、低迷からの脱出は
必ずしも大相場への移行は意味しません。
前回までにお話したC株もそうなのですが、
中国本土市場及び
H株を含む全中国企業に関係する問題として、
国内(中国本土)と国外(香港など)、
流通株式と非流通株式、
A株とB株というそれぞれ相反する二つの存在が、
やはり今後も一貫して、
中国市場を悩ますことになりそうです。
こうした相反する二つの存在群は、
どちらかを是正しようとすれば、
どちらかが少なくとも
相対的には損害を受けることになる、
つまり利益の衝突が起こるものです。
前回お話したように、C株をめぐっても、
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)や
国有資産監督管理委員会(国資委)との対立も示唆されます。
利益もそうですが、意地もありますし、
譲るに譲れない対立が各所で見られ、
長期の低迷脱出は進めなければならなくても、
「決定打」はなかなか出すことができずに、
最悪のシナリオとしては、
2005年もずるずると政策の不透明さが
続くことも考えられます。
|