| 第230回シノペック再編、国有企業の「横綱相撲」は終焉
 中国石化北京燕化石油化工股フェン有限公司(シノペックペキンユンハ、0325)が
 中国石油化工股フェン有限公司
 (シノペックコーポ、0386)に私有化され、
 上場廃止となることが決まりました。
 実質的には吸収合併となるようです。
 同じグループ会社による無用な競争は避け、
 競争力を集中して、
 中国石油化工集団(SINOPEC)はグループとして、
 激化する石油化工業界の不動の地位を固めたい、
 という思惑があるようです。
 中国の石油化学業界は活況を呈しています。2004年には業界全体で
 70%ほどの増益が見込まれています。
 原油価格高騰に伴うコスト高よりも、
 ニーズの堅調に裏づけされた
 製品価格の上昇の幅が大きかったことが要因です。
 業界全体としては、2005年も引き続き
 好調を維持することが予想されています。
 一方で、石油や石油化学という分野は、規制の厳しい業界でも知られています。
 たとえば、製品油の小売卸売などの流通分野では
 中国石油化工集団のほか、中国石油天然汽集団
 (CNPC、ペトロチャイナ(0857)の親会社)の
 二大グループによって独占されています。
 以前までは、かなり自由な市場でしたが、90年代後半になって、
 その自由さが市場の混乱を生んだために
 対抗措置が講じられ、
 今に至って、独占体制が構築されています。
 しかし、こうした独占状態に対しても、民間企業などの台頭により、
 自由化を求める声が大きくなっています。
 その他の石油や石油化学の分野でも
 同じ現象が起こることになるでしょう。
 今までのような横綱相撲ができなくなる、というのは、多かれ少なかれ、
 どのような業種の大型国有企業でも直面している、
 あるいはすでに現実となっている問題だといえます。
 中国石油化工集団による今回の大型のグループ再編も、
 そうした状況の変化に対応した
 大きな一手だったともいえます。
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