| 第231回優良銘柄・北京燕化石油の吸収消滅はさびしい?
 中国石油化工股フェン有限公司(シノペックコーポ、0386)に
 2005年8月を目処に吸収合併されることが決まり、
 上場廃止となる
 中国石化北京燕化石油化工股フェン有限公司
 (シノペックペキンユンハ、0325)は、
 日本での知名度はそれほど高くないようですが、
 H株の中でも優良企業の一つであり、
 H株の石油化学セクターを代表する銘柄です。
 北京燕化石油は、2004年通期の業績も100%以上の増益は間違いなく、
 予想される04年通年のEPS(1株当たり利益)は
 0.60−0.90元程度、
 最新の株価と計算したPER(株価収益率)は
 5−6倍前後でしょう。
 吸収合併の報道が出始め、それが決定して、
 株価は急に値を上げ始めたので、
 それ以前であれば、利益倍増企業としては
 破格のPERになっていたかもしれません。
 そもそも北京燕化石油の筆頭株主は中国石油化工で、その持ち株比率は実に70%に達していましたから、
 H株数は残りの30%程度だったわけですが、
 これらを吸収合併に向けて回収することになります。
 現在の中国石油化工は、前回ご紹介した中国石油化工集団(SINOPEC)の
 グループを代表する企業です。
 中国石油化工集団は
 石油業界では中国最大の売上を誇るグループであり、
 中国全体としても指折りの企業グループです。
 そうした意味で、企業規模として、そのグループを代表する中国石油化工は、
 さらにその傘下にあたる北京燕化石油とは
 比べ物にならないほど大きくなります。
 両者の間には資産規模で40倍、売上規模で30倍、
 利益の規模で20倍もの開きがあります。
 そのため、今回の吸収合併で、もちろん北京燕化石油が担当する部分の強みは
 発揮されるでしょうが、
 中国石油化工の全体的な体制が大幅に変わるか、
 といえば、疑問はあります。
 業績や財務体質などを比較すると、巨大すぎる中国石油化工は、
 実は北京燕化石油に及びません。
 グループ全体の再編とはいえ、
 北京燕化石油という優良銘柄がなくなるのは
 さびしい限りです。
 |