第229回
IPO解禁に加えて大型企業の中国本土上場奨励の裏は?

2004年12月9日、
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)の
尚福林・主席は、
中国の大型の優良企業による
中国本土市場における株式上場を奨励、
それによって、
現在の中国株式市場の中小型中心という構造に
変革を加えたいとの意向を示しました。

さらに続いて、
証券市場における発行価格決定に関する改革が
進展をみたとして、
ブックビルディング方式を含む
新たな発行価格決定メカニズムが
まもなく導入されるだだろうと語りました。

投資家に重点を置いた市場保護的な観点から言えば、
これら二点のこと、つまり、
大型優良企業の中国本土への上場を奨励することと、
IPO(新規株式公開)解禁に言及することは、
「タブー」といえます。

しかし、あえて、これら二つに対する見解を示したのは、
前回お話した
「社会公衆株株主の合法的権益の保護を
 強化することに関する若干の規定」で、
中小投資家権益の保護に関する制度的、
法的な措置が一段落した、との認識が、
CSRCに存在していることを示すものといえるでしょう。

2005年早々、中国本土の証券市場では、
時期はともかく、IPOが解禁されるのは確実です。
中国建設銀行、中国銀行、中国交通銀行などの大型IPO、
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)のA株IPOや
宝山鋼鉄(600019)の大型新株発行なども
時間の問題となってきますし、
むしろ、尚主席の発言はこれらを奨励しています。

そうなれば、
中国本土市場の資金的な需給悪化懸念は
極度に強まることが予想されます。
上記の国有3行のIPOは
香港市場との同時上場も検討されていますし、
中国石油天然気はいうまでもなくH株の主力銘柄で、
時価総額から言えば、
香港全体を代表する銘柄ともいえなくもなく、
2005年年初の中国本土の証券市場の政策的な動きは、
香港市場にも直接間接の影響を与えることは必至です。
年頭に際して、
是非とも抑えておきたいポイントとなります。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年1月10日(月)

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