第228回
中小保護策の整備を終えてIPOの華々しい解禁進める

「市場の整備」をめぐって、
微妙な舵取りを見せている
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)ですが、
2004年12月に入って、
一連の施策を発表、実施に移しています。

まず、2004年12月7日、
「社会公衆株株主の合法的権益の保護を
 強化することに関する若干の規定」を発表しました。
これは、中小投資家の上場会社に対する
重大事項に関する発言権と
議決権を強化する内容が中心の、
中国ではほぼ初めての、
中小投資家権益保護に関する条例といえます。

この条例は同年9月に草案が発表され、
10月までに各界からの反応をうかがい、
それからまもなく発表される予定でしたが、
結局、実施に移されたのは12月ですから、
2カ月ほど遅れるという難産でした。

中小投資家の権益が保護されれば、
相対的に力が弱められるのが、大株主です。
中国の場合、大株主は、
最終的には国に代表される国有株などの保有者、
より直接的には、国有資産の監督管理を行う省庁である
国有資産監督管理委員会(国資委)となります。
この条例の制定に対して、
国資委の反発が大きかったのは想像に固くありません。
難産だった要因の一つになっています。

この発表は当然、
中小投資家を喜ばせるものになり、
市場の活況も望めたのですが、
12月7日の政策発表時では、
9月に草案が発表されたときほどの盛り上がりは
見せませんでした。
逆に難産が、この条例施行の効果を
薄めさせてしまったともいえます。
それでも、少なくとも法整備的には、
投資家保護の姿勢を明確に打ち出したことになります。

この条例発表が一段落してから、
CSRC主席の尚福林氏が、
早速、大型優良企業の中国本土への上場を奨励、
IPO解禁をにおわす発言をしています。

「社会公衆株株主の合法的権益の保護を
 強化することに関する若干の規定」が
投資家のためであれば、
大型優良企業の中国本土への上場を奨励、
IPO解禁に関する要人発言は、
投資家の意向とは逆行するものの、
証券業界全体の流れに沿ったものといえそうです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ

2005年1月7日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ