第225回
ほとんどが赤字、惨憺たる2004年の中国証券会社
2004年12月10日に発表された、
中国の証券会社に関する業績のデータによれば、
2004年、中国の証券会社のほとんどが
赤字になる見通しです。
中国の証券130社の業績では、
2004年1−10月の純損失は累計で
37.7億元(約490億円)にも上るといわれています。
このペースでいけば、
2004年通年の証券会社1社当たりの平均純損失は
2908万元(約3億7000万円)となります。
後述しますが、
中国の証券会社はさまざまな問題を抱えています。
そうした問題を解決するために、
中国当局ではさまざまな施策を講じていますが、
その一つに特に優良な証券会社を選抜して、
問題解決のためのモデル会社に認定しています。
このモデル会社の改善を通じて、
それを業界全体に波及させて、
業界全体の刷新を図る、というのが目的です。
このモデル証券8社の業績でさえ、
楽観視できないものです。
東方証券は今年1−6月で、純利益を1億432万元計上、
そのほか3社でも純益で5000万元を計上していますが、
唯一1−9月決算を発表している国信証券は、
純利益わずか176万元、
さらに、広大証券や長江証券は赤字となっています。
証券会社に元気がなければ、
相場も押して知るべし。
中国の場合、相場の元気のなさが
証券会社の業績に影響を与え、
証券会社の業績悪化が
相場低迷につながっているという
スパイラルに陥っています。
この大きな要因の一つとして掲げられているのが、
2004年8月から凍結されているIPO(新規株式公開)です。
売買手数料は、各社間の競争で
差別化がつけづらくなっている中で、
公開時の引き受けなどIPO業務は、
中国の証券会社にとって
大きな収益源となっていましたが、
これが絶たれた2004年後半、
中国の証券会社の苦悩が凝縮されたといっても
過言ではないでしょう。
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