第213回
キャセイの競合かつ関連、ドラゴン航空めぐる相関図
前回までで香港の航空セクターをめぐる
ハンセン指数に組み込まれている3銘柄として、
太古A(スワイアパシフィック、0019)、
中信泰富(CITICパシフィック、0267)、
国泰航空(キャセイパシフィック、0293)に触れ、
キャセイパシフィックが
中国国際航空(エアチャイナ、0753)に
10%資本参加することに言及しました。
すでに若干複雑になってきていますが、
今回はさらに複雑になります。
香港の航空会社では、
キャセイパシフィックが有力なのですが、
もう一つ、キャセイパシフィックとは競合にあたる、
ドラゴン航空というものがあります。
この会社自体は株式を上場させていません。
キャセイパシフィックとドラゴン航空は、
中国本土への路線開拓などをめぐって、
時には激しく争う関係にありますが、
実はキャセイパシフィックは
ドラゴン航空の19%権益を保有しており、
ドラゴン航空に資本参加しています。
そのため、たびたび犬猿の中が
伝えられるような報道がありますが、
時にはキャセイパシフィックと
ドラゴン航空が合併か、
というニュースも報じられます。
キャセイパシフィックに
資本参加(46.17%)している
スワイアパシフィックは、
同時にドラゴン航空にも
16.30%資本参加しています。
以前にもお話したとおり、
スワイアパシフィックの主要事業として、
航空関連サービスがありますが、
これは、キャセイパシフィックが中心ですが、
ドラゴン航空の事業も関係していることになり、
この2社の航空会社を直接
それぞれの割合で支配しています。
また、キャセイパシフィックは、19%とはいえ、
ドラゴン航空を直接的に支配していることになりますので、
キャセイパシフィックの株主である
スワイアパシフィックとしては、
その分、間接的にもドラゴン航空と資本関係にあります。
よって、ドラゴン航空の業績や動向も、
これらの上場企業に影響を与えることになります。
しかし、その影響が最も大きいのは、
スワイアパシフィックとキャセイパシフィックとは
別の上場会社になります。
それは、ドラゴン航空の43.29%保有する筆頭株主である
中航興業(チャイナナショナルアビ、1110)です。
さらに複雑なことを言えば、
この中航興業の69%権益を有しているのが
先日上場した国際航空です。
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