第204回
急成長遂げ、今後は3G期待の中興通訊(ZTE)

12月9日にH株を上場させる
中興通訊(ZTE、0763)は、
中国最大の通信設備メーカーです。
中国政府による重点企業520社の一つで、
モバイル、デジタル、光通信、PHSなど
ありとあらゆる通信製品を取り扱い、
通信ネットワークの建設と改造、
ソリューション能力に定評があります。
特にCDMA製品は
国際的な先進水準に到達していると自負しています。
中国では珍しくGSM、CDMA、PHSという
三つのシリーズの携帯電話を生産しています。
ADSL製品では中国シェアトップです。

同社が最も力を入れているのが
第3世代(3G)携帯電話です。
日本でもテレビ電話や携帯電話で
テレビが見られたりする機能が、
盛んにテレビCMなどで流れていますが、
これらの大容量の通信を可能とする標準の総称が
3Gと呼ばれるものです。
中国本土では、諸々の制約から、
現在までにこの3Gサービスを行うことができません。

この3Gサービスについて、
ようやく中国でも解禁に向けた動きが
加速し始めています。
早ければ05年6月末までに、
中国移動(チャイナモバイル、0941)などに
3G営業ライセンスが
発行されるのではないかとみられています。

そうなれば、3Gのサービスブランドとして
「FOMA」が成功したNTTドコモの例からも分かるように、
中国移動などの通信キャリアでは新たな収益源になります。
それと同時に、
その通信設備や携帯電話端末を提供するメーカーも
恩恵を受けることになります。
その代表的なメーカーの一つが
中興通訊であることは間違いありません。

非常に楽観的な試算ですが、
3Gが中国で展開されれば、
中国のGDP(国内総生産)を
コンマ数ポイントから1ポイント以上
押し上げるのではないかともいわれています。
私個人としては、これは若干大げさで、
そこまでの急激な変化や影響力は
まず望めないと考えています。

ローエンドユーザーが中心の
現在の中国携帯電話市場で、
携帯電話端末だけでも
通常の3倍ぐらいはかかるだろうという3Gが
急速に普及することは考えられないからです。
それでも、将来的なポテンシャルは間違いなく、
中興通訊の新たな収益源になるのは
間違いないでしょう。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2004年12月7日(火)

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