第201回
ローン焦げ付きなど顕在化でも自動車復調に期待
現在までに、B株はともかく、
H株を中心とした香港上場の中国系銘柄が
復活しそうな傾向にあります。
2004年、軒並み不調だったIPO(新規株式公開)ですが、
11月17日にデビューした
中国網通(チャイナネットコム、0906)が
久しぶりにIPO銘柄としては注目、
好調なパフォーマンスをみせたことでも、
香港上場の中国系銘柄の復活の兆しと
いえるのではないでしょうか。
そうした中で、
前回紹介した株価の推移を勘案するに、
当然、2003年11月以降、
現在までに大きく上げている石油
(2004年10月末時点で131.62ポイント)や
石油化学(同130.14ポイント)よりは、
落ち込みの激しい自動車(同59.35ポイント)のほうが
注目に値するかもしれません。
自動車は、市場そのものは復活しつつあります。
中国の多くの専門家も、
今後の市場の反発を予測しています。
原油高や製品価格の低迷による消費者の買い渋り、
あるいは、自動車ローンの規制強化などで、
市場が低迷していたわけですが、
ここにきて、メーカー側の生産調整なども
功を奏し始めており、
在庫も減少の傾向にあります。
製品の販売も、一部の例外を除いて、
緩やかに回復基調にあるのは間違いありません。
代表的な3銘柄の中に組み込んでいる
駿威汽車(デンウェイモーター、0203)は、
傘下の広州ホンダが11月に発表した
2004年1−10月の販売台数で
前年同期比72.7%近い成長を遂げています。
「アコード」が、中国最大手の乗用車メーカー
上海VW「サンタナ」「ジェッタ」に次ぐ、
中国全土の売上でも第3位に入っています。
ホンダの広州新工場建設にも参画、
生産能力増強につながり、
このことは、海外証券会社などからも
高い評価を得ています。
一方で、中国全体の自動車ローンの焦げ付きが
深刻化しています。
04年年初までに個人貸付残高が
1800億元になっていますが、
そのうちの実に1000億元が
回収困難なのではないかとも指摘されています。
自動車ローンの規制のさらなる徹底は、
相対的に市場を冷え込ませることになりかねないものとして、
危惧されています。
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