第197回
収賄で証監会職員が逮捕、今後の相場への影響は?

中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)の
発行管理監督部副処長が
11月16日に収賄容疑で逮捕されたことが
明らかになりました。
これをCSRCが正式に認めたのは
18日になってからです。
今回逮捕された王小石・容疑者は、
職権を乱用して、
収賄行為を行なっていたとされています。
王・容疑者も基本的に容疑を認めていますが、
具体的な罪状については、現在のところ不明です。

中国の証券会社の顧客資金の流用などの不正は
後を絶ちませんが、
証券当局としてのCSRCの職員が
収賄容疑で逮捕されるというのは、
中国でも異例のことで、
中国メディアでも大々的に報じられています。
また、逮捕されたのが証券発行に関わる部門の、
しかも幹部クラスであったことが
事態を複雑にさせています。

何度もご紹介している通り、
中国本土の株式市場は
全体として政策的な不透明感が依然ぬぐえません。
それは、究極的には「全流通」、
つまり、国有株などの非流通株式市場をも
市場にすべて放出するという問題の解決に
ほとんど目処がついていないことに
起因しているといえます。
この問題は、結局は、
株式市場における資金の
需要と供給の関係という問題に直結します。

中国の本土市場は、
企業による市場からの容赦ない資金調達が続く一方で、
新規資金の流入に関しては、
外資がB株、あるいはQFII(指定国外機関投資家)という
限られたルートに絞られていることでも
象徴しているように、
あまり進んでいないのが現状です。
保険会社の資産や
社会保障基金、企業年金基金などが
株式市場での直接運用が解禁されていく方針ですが、
どこまで活性材料になるかは不透明です。

一方で、以前もご紹介した
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)の
A株IPO(新規株式公開)や
宝山鋼鉄(600019)の大型新株発行など、
中国本土でも歴史的な規模の企業側の
資金調達計画が控えています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
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2004年11月26日(金)

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