第196回
H株ランク4:原油高でも石油化学が堅調
H株のA評価とB評価、合計19銘柄のうち、
A株も同時に発行している銘柄は9銘柄、
その中で、H株株価の対A株格差でスクリーニングをかけ、
低い順でトップ5は以下の通りになります。
1.上海石油化工(シノペックシャンハイ、0338) 2.18倍
2.江西銅業(コウセイコッパー、0358) 1.91倍
3.馬鞍山鋼鉄(マーアンシャンアイロン、0323) 1.70倍
4.中海発展(チャイナシッピング、1138) 1.67倍
5.江蘇高速道路(コウソエクスプレス、0177) 1.66倍
馬鞍山鋼鉄はここでもランクイン、
高配当利回り、低PER、低株価、対A株格差という
四つの指標でいずれもトップ5に入った
H株唯一の銘柄になります。
第1位は上海石油化工。
前回紹介した低株価ランキングでも
第4位にランクインしています。
同じく石油化学でシノペック系の
北京燕化石油(シノペックペキンユンハ、0325)は、
低株価ランキングで第3位、低PERランキングで第4位でした。
H株全体の動きを見るとき、
まず押さえておきたいのは石油。
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)と
中国石油化工(シノペックコーポ、0386)です。
それらと付随する形で、
やはり見逃せないのが石油化学の上記2銘柄になります。
いずれも中国石油化工の子会社にあたります。
原油高騰が世界的なショックを与えた2004年。
その要因とも指摘されているのが、中国の原油輸入依存であり、
中国でも原油高の影響をもろに受けています。
石油化学業界にとっては、原材料コストの急騰を意味し、
中国の石油化学業界もそれに悩まされている一方で、
業界全体の指標を示す、
中国政府直系の化学工業52社の
国有重点企業の累計増益幅は
2004年1−9月で実に78.6%に達しています。
経済成長とともにニーズが堅調なためです。
2003年は鉄鋼セクターで爆発的な成長がありましたが、
2004年の目玉は石油化学かもしれません。
(今回使用した指標の株価は
2004年6月末時点のものを採用しております)
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