第192回
B株よりも高評価のH株、D評価でも今後に期待
以前にご紹介したB株のAからEまでの五段階評価ですが、
これをH株でも行なっています。
B株の時と同様、基準となる業績は、
基本的に2004年6月の中間決算までの直近4−5年ほど、
及び信用できる予測データを使用しています。
それぞれの収益性や成長性、安定性などを、
各社が発表している
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
及び株価の各種指標をもとに割り出し、
収益・成長・安定を総合的に判断しました。
GEM上場を除くH株銘柄は66銘柄
(04年にIPOを行った銘柄は、今回除外)。
A評価は4銘柄、B評価は15銘柄、C評価は35銘柄、
D評価は12銘柄、E評価は1銘柄となりました。
全体に対する割合は、
A評価が6.06%(B株は4.50%、以下同)、
B評価が22.72%(18.02%)、
C評価が53.03%(40.54%)、
D評価は18.18%(25.23%)、
E評価が1.52%(10.81%)
です。
A評価もB株と比べてH株のほうが多いですが、
D評価とE評価という、
いわば業績に必ず気になる点や
致命的な欠陥のある銘柄数の割合も、
H株のほうがB株よりも少なく、
A評価とB評価という、
業績優良銘柄の合計の割合では、
B株が22.52%にとどまったのに対して、
H株は28.79%となっています。
この評価は、総じて、不透明な今後の見通しよりは、
確定している過去の実績に、
どちらかといえば比重がおかれていますので、
現状、実績の数字だけを見れば芳しくない
中国人寿(2628)や中国人民財産保険(2328)が
D評価になっていますが、
今後も十分期待できる銘柄といえます。
B株は優良不良の区別がはっきりしているのに対して、
H株は総じて平均的に優良な銘柄が多く、
たとえC評価やD評価、さらにE評価でも、
B株ほど期待感が小さくないという特徴があります。
何度も繰り返すように、
私個人としては
「B株よりは、全体としてはH株のほうがよい」というのは、
こうした背景もあります。
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