| 第189回インフレ圧力軽減につながるか? 過熱経済の抑制も
 中国が9年ぶりとなる利上げが10月28日の引け後に発表され、
 29日から実施されることになりました。
 H株指数は、28日の終値が4578.58ポイントでしたが、
 翌29日には
 一時4500ポイントを割り込む場面もありましたが、
 4504.78ポイントで引けました。
 しかし、週末をはさんで11月1日は一段と下げて
 終値は4499.24ポイントとなりました。
 この日が底となって、
 11月3日には4600ポイントまで回復しましたが、
 H株の「利上げショック」もB株同様、
 大きなものがありました。
 利上げの背景としては、やはり、一つにはCPI(消費者物価指数)の上昇が深刻で、
 インフレ圧力が強まったことが挙げられるでしょう。
 中国では、「3%を超える上昇幅となれば、インフレ傾向にあると判断できる」と、
 昨年から言われてきました。
 しかし、2004年2月に発表された同年1月のCPIは
 前年同月比で3.2%の上昇を記録したのです。
 2月のCPIは2%台の上昇にとどまりましたが、3月と4月は2カ月連続で3%台となり、
 5月には4.4%となりました。
 さらに6月には5%の大台を超え、以降、9月までの4カ月間、5%台で推移しています。
 単純に考えれば、ここ4カ月間、中国の物価は平均して日本の消費税並みに
 値上がったことを意味します。
 デフレ時代の今の日本では、CPIもマイナス成長となっており、
 なかなか実感がわかないかもしれませんが、
 いくら高度成長を続けているとはいえ、
 これほど急激な物価上昇は、
 市民生活にも大きな影響を与えることになります。
 ただし、利上げに踏み切った、しかも急ぐように実施したのは、
 さらに大局的に、
 中国政府が進める投資過熱抑制政策が
 思うように効果を上げ切れていないことに対する
 苛立ちを示しているのかもしれません。
 中国のGDP(国内総生産)の成長率は、今年1−3月で9.8%、4−6月で9.6%、
 7−9月で9.1%と推移しており、
 過熱気味の経済成長は徐々に落ち込んできていますが、
 それでもいずれも9%台という高水準となっています。
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