| 第190回再度の利上げはあるのか? 来年3月が目処か?
 問題は再度の利上げがあるかどうかになっています。これについて、今後、
 何度かの利上げが実施されるのではないか、
 というのが、中国の政府系シンクタンクや
 海外の大手金融機関などの見方です。
 というのも、今回の利上げ幅は、基準金利0.27ポイントですが、
 これでは、実質的な効果が望めないことが
 目に見えているからです。
 心理的な効果は株式市場の反応から見ても十分です。また、中国の一般消費者は、基本的に、
 単純に銀行預金金利が上がるということで、
 今回の利上げを歓迎しているという調査結果などが
 相次いで発表されています。
 ただし、CPI(消費者物価指数)の急上昇への対応や、投資抑制及びそれに伴う過熱気味の経済成長を
 冷却するということが目的であれば、
 0.27ポイントの引き上げは小さすぎます。
 今後1年で0.75ポイントほど、段階的に引き上げられることになるだろうとの
 専門家の意見もありますが、
 今回の0.27ポイントの引き上げは、
 実質的な効果を生むための金利引き上げに向けた、
 いわば、心理的な準備のための
 一つの段階と考えたほうがよさそうです。
 また、今後、中国政府がどのタイミングで、どの程度、金利を引き上げていくのか、
 予測は難しいですが、それら次第で、
 中国政府が中国のマクロ経済の過熱を
 どの程度まで押さえ込み、
 今後も持続的、安定的な発展が可能な水準を
 どの程度としてとらえているのかが
 みえてくるでしょう。
 もともと、中国政府では、今年7−9月の経済データを見極めてから、
 利上げを実施するかどうかを
 決めるとしていましたので、
 そういう意味では、
 「予定通り」だったかもしれません。
 次回の利上げのタイミングについては、10月の経済データが出る
 11月の中盤から下旬にかけてか、
 あるいは10−12月及び2004年通年の
 経済データがまとまる2005年3月ごろもポイントになってきます。
 株式市場にとっては、再度の利上げが、今後株価に織り込まれていくことに
 なることが予想されます。
 第1回目の10月28日の利上げ発表に反応したようなほどには
 反応しなくなる可能性もあります。
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