第170回
今後の中国本土市場の最重要文献「国九条」を把握
「資本市場の改革開放と安定的な
発展推進に関する若干の意見」、
いわゆる「国九条(9条意見)」は、
2004年1月31日に国務院から発表されました。
資本政策の改革要綱としては、
実に12年ぶりの改定、発表となります。
同年9月13日の国務院常務会議で、
この方針徹底が確認されたこともあって、
今後一定期間、
中国本土における資本市場の考え方としては、
根本的な方針になることが予想されます。
その内容を構成している9つの項目は以下の通りです。
1.資本市場を発展させることに対する重要な意義を
しっかり認識すること
資本市場の発展は、国有経済の構造改革のためであり、
金融市場の完備が目的である
2.資本市場の改革開放と
安定的発展の中心的な考え方と任務を把握すること
直接融資を拡大、透明性を高め、
資本市場の各方面における安定した運行を目指す
3.関連政策を完備させ、
資本市場の安定的発展を促すこと
投資の回収率を高めるために、
上場会社にふさわしくない行為を抑制していく
4.資本市場のメカニズムを健全化、
証券投資商品を豊富にすること
条件に合致した企業による資金調達
及びそれに伴う証券投資商品の拡充を図る
5.上場会社の質をさらに高め、
上場会社に関するルールを整備すること
上場会社の質こそが投資価値の源泉であり、
上場廃止メカニズムなども完備する
6.資本市場の仲介サービスを確立、
その業務能力水準を向上させること
証券会社などの資金不足や競争力不足を解消、
あわせて、監督管理を強化する
7.法整備と信用体系を強化、
資本市場の監督管理の水準を向上させること
信賞必罰を徹底、
中国社会に欠けている「信用」を
資本市場に浸透させる
8.適時行政的措置を講じ、
市場リスクの予防及び低減を図ること
親会社の上場会社資金占有問題など、
不法行為に対する厳罰を徹底する
9.経験の総括をしっかり行い、
積極的かつ妥当に対外開放を進めること
WTO(世界貿易機関)加盟及びその承諾に応じた、
海外金融機関などによる参入認可を進めていく
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