第171回
IPOが解禁か、本土市場の需給悪化懸念が深刻化

IPO(新規株式公開)時など
発行価格の制度見直しのため、
中国本土では2004年8月末、
IPOの一時凍結が発表されました。

以前までにご紹介したように、
中国政府も株式市場の育成に力を入れ始めている中で、
それでも、大型のIPOが検討されていること、
大型の新株発行による増資が検討されていること、
などもあって、中国本土の株式市場は
慢性的な資金の需給悪化恐怖症に陥っていましたので、
このIPO凍結発表は大きな好材料となっていました。

しかし、このIPO凍結発表後でも、
大型のIPO実施に関する報道はやみませんでした。
実際にはIPOが凍結されていますので、
報道が流れたとしても、
短期的にIPOが再開されるということはないのですが、
市場の恐怖症は根強いものがあり、
「大型IPO実施か」という報道で、
株式市場の値が動いていました。

そうした中、ここにきて、
中国本土でもIPO解禁の動きが現れ始めています。
早ければ2004年11月にも
解禁されるのではないかとみられています。

株式上場しても、公募価格をすぐに
割ってしまうような現象が後を絶たず、
市場ニーズと発行価格が乖離していたのは間違いなく、
今回、ブックビルディング方式など、
市場のニーズに添ったような形での
発行価格決定に関するメカニズムを導入していく
方針が固まってきたといわれています。

その発表が10月の中旬から下旬にかけて行なわれ、
11月には新発行価格決定メカニズムを導入した形での
IPOが行なわれるのではないか、
というのが今回の市場観測です。

解禁後にすぐにでも上場を
予定しているといわれているのは、
中小企業の部類で、それほど大規模なものではない
ことは確定的です。実質的に、市場に大きな影響を
与えるものではないですが、
IPO解禁の心理的ショックは
大きいものがあることでしょう。

邪推すれば、
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)の
A株IPOなど、大手企業からの解禁に向けての押し上げが
あったのかもしれません。

ともかく、このIPO解禁が実現してしまえば、
前回までにお話した政策的な市場救済策を
一気に吹き飛ばしかねない
悪材料になる可能性もあります。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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