第168回
流通株主の権力拡大で中国上場企業はどう変わる?
9月26日から中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)
がパブリックコメントの募集を開始した
「社会公衆株株主の合法的権益の保護を
強化することに関する若干の規定」には、
国有企業グループ、最終的には国など大株主が
市場の中小株主の権益を
侵害していることへの対策として、
主に以下の四点に集約させています。
1.流通株主の権力を大ききくさせること
つまり、流通株主の企業経営の参加機会を
意図的に増やすこと。
あるいは、流通株主の(株主総会などの)議決権を
有効に企業経営に反映させること。
実質的に1株当たりの権利に対して、
極力均衡を保とうとしたわけです。
そのための具体的な方法として、
上場会社が開催する株主総会は、
流通株主のために、
会場を設けてリアル形式で実施されるのはもちろん、
インターネットによるバーチャル形式も
導入しなければならないともしています。
2.社外董事(取締役)の権力拡大
外部からの監督能力を向上させ、
上場会社、及びその裏で糸を引く
親会社の勝手な行為に対して、
けん制していくようにします。
特に財務データの透明度を高めるために、
会計士及び会計士事務所の解任に対しては、
社外董事の半数以上の同意が
必要にするようにしました。
これによって、コーポレートガバナンス(企業統治)
の徹底を図る意図もあるようです。
3.大株主の大きすぎる権力の抑制
大株主による上場会社資金の「侵食」を
厳しく禁じていくこと
(以前に紹介した「以股抵債」は
9月23日に初めて実際に実施されています)
あるいは、配当できる利益が出ているにも関わらず、
配当を実施しない上場会社に対しては、
強制的に配当を実施していくよう
指導していくことなどに触れています。
4.上場会社の経営陣に対する監督強化
職務怠慢などにかんして、社会に対して、
積極的に発表していくようにしていきます。
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