第160回
救済策明示でわずか1週間ほどで取引量が4−6倍
今年の中国本土市場は
一貫して冷え込んでいました。
冷え込み具合は売買代金をみればわかります。
7月以降、出口の見えない低迷に、
資金の撤退が顕著で、
上海と深センの売買代金の合計が
1日100億元にも満たず、
50−60億元程度まで落ち込むことも
珍しくありませんでした。
それが、前回ご紹介した
国務院常務会議の報道が流れた14日以降、
中国の本土市場はにわかに活況となり、
売買代金ベースで、15日には270億元強、
17日には300億元を超え、
20日には実に400億元を突破しました。
わずか1週間ほどで、
取引量が4−6倍ほど膨れ上がったことになります。
株価も当然値上がりました。
14日以降20日まで4日続伸。
実は、私も金曜日の17日に
指数ベース(A、B双方で)で3%跳ね上がったこと、
19日に江沢民氏が軍事委員会主席を辞職、
完全引退を表明したことなどもあって、
「(今までの経験からいって)
月曜日の20日の取り引きでは調整かな」
と思っていた矢先での続伸でしたので、
少しびっくりしていました。
若干余談ですが、中国本土市場は、
政策相場ですが、
政治にはあまり値を左右されません。
あくまでも市場と直結した政策だけに
よく反応するのであって、
政権やトップの交代などに関しては、
日米ほどは敏感ではないかもしれません。
安定した共産党一党独裁政権に対する、
市場からの無声の高評価といえるかもしれません。
江氏の辞任は、胡錦涛・国家主席との確執なども
海外メディアでささやかれ、
「完全引退といっても、
江氏は軍部に影響力残している」などとも
指摘されましたが、
そうしたものはあまり不安材料にならないことが、
今回のことでも証明されました。
ともかく、9月半ばの中国本土市場の
高騰は予想外でしたが、
国務院が2004年1月31日に発表した
「資本市場の改革開放及び
安定発展の推進に関する若干の意見」が
強く影響していることは
間違いありません。
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