| 第157回CPIと利上げがポイント、10月半ばに動くか?
 現在、中国株の相場を揺るがしている問題としては、「利上げ」があります。
 中国において、金利引き上げが行なわれるかどうかが
 かなり大きな相場の焦点になっています。
 米国の相場が今年5−6月にかけて、米国の「利上げ」が実施されるかどうかで左右された、
 まさに同じような現象が
 現在(2004年8−9月)の中国で起きています。
 「利上げ」観測が広がる背景には、CPI(消費者物価指数)が今年になって、
 前年と比べた時の伸び幅が
 大きくなっているというものがあります。
 今年9月13日に発表された8月のCPIは、前年同期と比べて5.3%上昇したというものでした。
 当初予測としては4.5%程度になるのではないか、
 と見られていたため、
 伸び幅の高すぎるCPIに対して、
 インフレ過熱を懸念した当局が、
 利上げを実施するのではないかとの観測が
 市場で広がり、
 同13日の中国本土市場は
 大きく株価を下げることになりました。
 金利引き上げに備えて、
 資金を撤退する動きが活発化するとの判断です。
 7月のCPIは5.3%上昇、6月は5.0%上昇となっています。
 中国では前々から7月がCPI上昇のピークとなる
 とみられていたことから、
 8月が7月と同じ水準の伸び幅であったことにも
 市場は敏感に反応したようです。
 今年の初め、中国のCPIの伸び幅が
 比較的高い水準を維持することは予想されました。
 というのも、中国では4年間連続で
 穀物生産の減産が続いたため、
 食料価格がCPI上昇をけん引することになるだろうと
 されていたためです。
 ただし、今年の穀物は豊作が確定しており、徐々にCPIの伸び幅も縮まってくることになるので、
 今年通年では、2−3%程度になるだろうと
 予測されたものです。
 ピークは今年7月というのも、
 こうした背景がありました。
 しかし、8月のCPIは市場予測を上回るほどの伸びを示したことで、
 インフレ懸念は拡大の一途をたどっています。
 利上げ実施を実質的に決定する
 中央銀行の中国人民銀行では、
 7−9月の統計データを見極めたいとしてきました。
 9月のCPIは10月半ばに発表される予定ですので、
 順当に行けば、それを待って、
 利上げをするかしないかが
 決定されることになりますが、
 現状はどうなるか不透明な部分が多いのが実情です。
 利上げ動向にもアンテナを張っておきたいところです。
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