第156回
「証券当局が救済策を放棄」で波紋、政策相場の本領

今年9月5日、
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)監管部の
謝庚・主任は
深セン証券取引所や複数の業界関係筋と会談、
「CSRCが今後一切、
 市場救済策並びに
 それに類する政策的な措置及び
 コメントを発することはない」
と発表されたと、9月9日に報道されました。
これを受けて、9月9日は中国本土市場を中心にして、
急落しました。

中国は、もはや言うまでもなく政策市場です。
政策動向が株価に直接的に反映されます。
CSRCは中国の証券当局であり、
そのCSRCが今後一切、市場救済策を講じないとなれば、
ただでさえ、低迷の続く中国本土市場にとっては、
もはや復活のきっかけさえ失われることを意味します。
報道を受けた株価の急落は
当然といえば当然でしょう。

この報道自体、
翌日には謝・主任自らが否定しています。

「まったくのでたらめ」
という強い否定です。

さらに、情報源を探り出して、
その事実関係を突き止める方針を示しており、
この報道に対する当局の怒りの大きさがうかがえます。

考えてみれば、こんな話がありえないことは、
当たり前の話で、CSRCの政策発表がなければ、
中国本土市場は良くも悪くも立ち行かなくなるのは
目に見えています。

中国は政策市場といいましたが、
これはある意味やむを得ません。

株式市場の設立自体、
国有企業改革が背景にあったのであり、
現在までにそうした色彩は徐々に
薄められてきていますが、
それでも、現在、中国本土市場の低迷の要因として
考えられている市場の構造的問題の多くが、
この国有企業改革から誕生した市場である
という事実から発しているといえます。

CSRCに限らず、
中国本土市場及びそれとの関連性が強い
香港上場のH株などの株価に
影響を与えるものとしては、
主に以下のものが考えられます。
これらの関係者などから発せられるコメントは、
中国株の相場を読む際に
必ずチェックしておきたいものです。

・中国人民銀行(中央銀行)
・国務院発展研究センター(政府系シンクタンク)
・国家発展・改革委員会(マクロ経済統括の中央省庁)
・中国商務部(通商などの方面を統括する中央省庁)
・中国銀行業監督管理委員会(銀行当局)
・中国保険監督管理委員会(保険当局)

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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