第150回
結局、「郎監管」は中国株市場に何をもたらしたのか

グリーンクール社(8056)は
顧雛軍・総裁が60%以上を有する民間企業で、
主要事業は冷蔵・冷気、空調システムに使用される
クロロフロロカーボン(CFC)の
「グリーンクール」への代替・販売を行なっています。

フロンガスの関係上、
業務冷蔵庫のCFC冷却材使用期限は
2006年となっており、
環境保護製品として、
同社製品は注目され、
環境保護という分野だけに、
政府の支援も受けやすく、
2003年12月基本決算では
大幅は減収減益となりましたが、
業態自体は期待されたものでした。

広東科龍(ケロン、0921)の買収は
一次騒がれましたが、
今回、香港中文大学教授の郎咸平氏によって、
その買収方法に疑義が提示されました。
広東科龍は家電大手で、郎氏が指摘するように
確かに一時期、業績不振に陥っていますが、
グリーンクール社による買収以降、
現在は復活、黒字計上を果たしています。
また、広東科龍のほかに、
グリーンクール社はそのほかの家電企業や
自動車企業も買収、郎氏によれば、
前回に紹介したような手法
いずれの買収劇でも行われているといいます。

郎氏の主張は正しいのでしょうか?

中国では、グリーンクール社を徹底的に叩いたために、
「民間企業を反対したいだけ」という声も聞かれます。
グリーンクール社以外でも、
郎氏は、海爾集団(ハイアール)、TCL集団、
中国石油化工(シノペックコーポ、0386)なども
批判していますが、各社ともその反論には控えめです。

批判されたそのほかの企業が
静けさを保ったままであったことも
法的手段に訴えた顧氏との「抗争」が
注目される所以でもあります。

私自身、何度か指摘しましたように、
郎氏の主張には考えさせられるべき点もありますが、
やはり、あまりにも過激であり、
過剰だと考えています。

「民間企業神話」は確かに中国で存在し、
私自身も中国の民間企業に懐疑的ではありますが、
やはり郎氏の意見を
全面的に鵜呑みにすることはできません。

それでも、
「グリーンクール社が広東科龍など
 国有四社を復活させた」
という見解に対するアンチテーゼとして、
また、中国及び中国株が内在的に抱えているリスクを
真正面から指摘したとして、
郎氏の意見は聞くべきものがあるのは事実です。
郎氏をめぐる騒動は2004年9月3日時点で
現在進行中です。

また何か新たな動きがあれば、
紹介したいと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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