第147回
「民間企業神話」を創出させた国有資産流出にメス

香港中文大学教授の郎咸平氏による
グリーンクール(8056)社及び
その顧雛軍・総裁に対する批判の趣旨は、
顧氏が国有企業の財産権改革の中において、
不当に国有資産を横領したとするもので、
「民営化を中心とする
 (国有)財産権改革は停止すべき」
というものです。

これを鵜呑みにしてしまうと、
顧氏はまるっきり犯罪者扱いで、
顧氏陣営が怒るのは無理もありません。

正直なところ、これが本当なのかどうか、
私のほうでも判断材料はありません。
あくまでも郎氏の主張としてとらえてください。
その真偽はともかく、
そうした動きの一部を紹介することで、
中国株の実相というものに
近づけるのではないかと考えています。

現在でも中国では国有企業改革が急務です。
もともと中国本土の株式市場は、
国有企業改革の中から生まれ、
国有企業改革に対して、
大きな効果を発揮してきましたが、
現在まで、弊害も小さいものではなく、
その転換点を迎えています。

例えば、資金調達先として格好の市場を
とことん利用してやれ、
とは言い過ぎかもしれませんが、
多かれ少なかれ、
そうした風潮が国有企業などの
経営者にあるのは確かです。

当然、当局はいろいろは制限をかけて、
そうした風潮がはびこるのを防止し、
市場の正常な運営に心がけています。
ただ、こうした背景のもと、
国有資産が国内外に流出しているという問題が
クローズアップされています。

国有企業と株式市場という、
「国−民」真っ向から対立する二項の矛盾の中から
生まれてきた問題だともいえます。
郎氏によれば、顧氏はグリーンクール社を通じて、
その国有資産を不当に取得した、とします。

具体的な方法として、
郎氏は、グリーンクール社では家電を中心とした
4社の株式を買収、資本参加を行なってきており、
その投資額は41億元と発表しているが、
実際の投入額は3億元程度ではないか、というもの。
顧氏自身がいろいろは方法を講じて、
そうした投資額の操作を行い、かつ、
コスト上のトリックを使って、
買収企業を急成長させて、
「民間企業神話」を創出したといいます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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