| 第146回「郎顧之争」、郎咸平氏をめぐる一連の騒動の原点
 中国株の爆弾「郎監管」こと香港中文大学教授の郎咸平氏は
 まだまだ物議をかもしています。
 TCL集団は郎氏に批判された会社の一つですが、外部董事(社外取締役)として、
 長江商学院の項兵・学院長を迎え入れました。
 外部董事の積極導入自体は中国の証券当局も、
 企業経営の透明度向上につながるとして奨励しており、
 すばらしいことです。
 しかし、実は、郎氏は長江商学院の教授でもあるのです。
 TCL集団はたまたま自社をこき下ろした教授のいる
 学院の学院長を外部董事として迎え入れたのですが、
 これが一時期、物議をかもしたものです。
 それはともかく、郎氏の「お騒がせ」の原点はなんといっても、
 GEMに上場しているグリーンクール(8056)社の
 顧雛軍・総裁との「私闘」です。
 現在、郎氏をめぐる最近の一連の動きは「郎顧之争(郎氏と顧氏の争い)」
 とも表現されるほどです。
 郎氏がグリーンクール社、特に顧氏に「けんかを売った」のは
 2004年8月10日のことです。
 上海の復旦大学における「グリーンクール:国有資本撤退及び
 民間資本進出の盛大な宴会の中における狂喜」
 と題する講演を行なったことがきっかけです。
 詳細について、非常に興味深いので、次回以降、紹介していきたいのですが、
 問題は、郎氏はこれ以前にも、
 以前に紹介したように、中国では泣く子も黙る、
 最大規模の企業である海爾集団(ハイアール)に
 論戦を展開したにも関わらず、
 なぜ、海爾集団の論戦があまり注目されず、
 昨今の郎氏をめぐる言動が
 「郎顧之争」と呼ばれるほど、
 グリーンクール社及び顧氏との関係の中で
 語られるのかということです。
 実は、この講演を受けて、グリーンクール社はすぐ反論しています。
 郎氏に批判された企業の中で、
 初めてのレスポンスでもありました。
 それは、この講演の内容が、
 あまりにも具体的すぎるものであった
 ということもあるでしょう。
 そのため、顧氏の陣営では名誉毀損などで
 郎氏に対して法的手段に訴えるべく、動いています。
 話がややこしくなって来た分、
 メディアでも取り上げられる頻度が多くなっています。
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