| 第130回A株で盛り上がる「ゲイツ待望論」、局面打開できるか
 A株市場の「ビル・ゲイツ待望論」は意外と強いものがあります。
 世界のマイクロソフト、
 ビル・ゲイツ氏が設立した
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金が
 QFII(指定国外機関投資家)の認可を得たこと、
 香港市場への介入を加速させていることで、
 いろいろな観測を呼んでいることがその背景にあります。
 たとえば、北人印刷(ベイレンプリンティング、0187、600860)
 のH株の買い入れ報道を受けて、
 8月4日は同銘柄のA株もH株も急伸しましたが、
 翌5日のA株とH株の株価の動きの違いは注目されます。
 H株が前日の急伸を受けて反落に転じた一方で、
 A株は2日連続のストップ高となったことです。
 これは、H株には値幅制限がなく、4日に17%高にまで達しましたが、
 値幅制限のあるA株は、
 4日の上げ幅が10%前後にとどまった、
 そのため、
 翌5日はH株が反落、A株が続伸という展開になった、
 と一応説明できます。
 しかし、やはりH株が冷静で、
 A株がゲイツ氏介入に熱狂したことの反映、
 と考えたほうがしっくりくるようです。
 「ゲイツ氏はソフト屋であり、投資家としては未知数」
 こうした慎重論は中国にもあります。しかし、ゲイツ氏ほどの
 知名度、資金力、影響力を考えれば、
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金がQFIIとして、
 A株に大々的な参入を果たせば、
 相場に活気をもたらすのではないか、
 との期待は、少なくとも現在の中国において、
 捨て切れないようです。
 現在までに、ビル&メリンダ・ゲイツ基金自身は、QFIIによるA株取引参入には
 消極的な姿勢をみせています。
 ただし、同基金がH株取引に参入したのは、
 A株取引の予行演習ではないか、との見方が、
 中国本土では期待とともに
 多勢を占めるようになっているようです。
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