第128回
ゲイツ氏着目の北人印刷は隠れた有望銘柄か
世界のマイクロソフト、
ビル・ゲイツ氏が設立した
ビル&メリンダ・ゲイツ基金は、
海域化工(オーシャルグランド・ケミカルズ、2882)
だけでなく、
北人印刷(ベイレンプリンティング、0187、600860)
の株式も買い入れていることが明らかになりました。
北人印刷はH株銘柄ですが、
それほどメジャーな銘柄とはいえません。
何らかの指数の構成銘柄に
組み込まれているわけでもなく、
いわばノーマークの銘柄ともいえますが、
印刷機メーカーとしては中国最大手です。
ここ数年、順調に業績を上げてきています。
2003年本決算でも
8%増収、32%増益となっています。
7月末に発表された2004年1−6月期決算でも、
それぞれ5%の増収増益となっています。
伸び幅は小さいとはいえ、堅実な成長といえます。
この04年1−6月期決算における
EPS(1株当たり利益)は0.1457元、
これを単純に2倍して、
04年末時点EPSと仮定した場合、
7月末の株価をもとに計算すると、
PER(株価収益率)は7.7倍程度。
また03年末時点における
PBR(株価純資産倍率)は0.85倍程度。
A株とH株の格差は7月末時点で2.3倍です。
中国株で難しいのはこうした指標の読み方です。
指標だけでは、必ずしもこうだ、
と断定できない面が中国株には多々あるのですが、
純粋に見て、PER7.7倍、PBR0.85倍は、
株価としては安いといえます。
またA株とH株の格差が2.3倍というのも、
H株銘柄の中では高水準です。
ビル&メリンダ・ゲイツ基金が
北人印刷の株式を買い入れたという報道は、
8月4日になされました。
その日、H株は一時20%近くまで急騰、
値幅制限のあるA株ではストップ高になっています。
ただし、翌5日、H株株価は反落しています。
A株はなんと2日連続のストップ高になりました。
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