| 第127回ゲイツ氏が中国株参入、海域化工37%高を追う
 世界のマイクロソフト、ビル・ゲイツ氏が中国株投資を加速させています。
 ゲイツ氏夫妻が設立した
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金が、
 QFII(指定国内機関投資家)の認可を獲得したのは
 今年7月21日のことです。
 QFIIは、現在までに、海外投資家による
 中国本土のA株を含めた証券投資が
 自由に認められておらず、
 そうした段階で、特定の海外機関投資家に対して、
 ライセンスを発行することで、
 あらかじめ定められた投資上限や限度額の中で、
 A株など中国本土への投資を認めるというものです。
 2002年11月に導入が決定され、2003年3−4月ごろから実際に稼動しています。
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金の認可までに、
 QFIIの認可を獲得したのは16社あります。
 シティグループやモルガンスタンレー、
 ゴールドマンサックス、HSBC、
 スイス銀行、ドイツ銀行などなど
 世界の早々たる金融機関が名を連ねています。
 日系では、野村證券、日興アッセトマネジメント、
 大和証券SMBCが認可されています。
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金がQFIIの認可を取得した後、
 同基金が7月初めまでに
 H株を含む香港市場の個別銘柄を
 買い入れていたことも報じられるようになりました。
 7月末から8月初めにかけてのことです。
 貴金属電鍍金(めっき)大手の海域化工(オーシャルグランド・ケミカルズ、2882)が、
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金による
 株式購入を発表したのは7月末でした。
 この発表を受けて、海域化工の株価は8月2日に
 1.35香港ドルをつけました。
 7月30日の終値が
 0.98香港ドルでしたから、
 2日の1日の取り引きで、
 実に37.75%株価が跳ね上がったことになります。
 後の報道によれば、ゲイツ基金がその翌3日に、
 海域化工の株式を1.35香港ドルの高値で
 売却していることが明らかになっています。
 ------------------------------------------ ※多くの読者の方からご指摘いただきました通り、ビル&メリンダ・ゲイツ基金について、
 その運用を実際に
 ビル・ゲイツ氏が行なっているわけではありません。
   ただし、中国側の報道ではビル&メリンダ・ゲイツ基金=ゲイツ氏
 という流れの中で、
 報じているものが多いのが現状です。
 そのため、中国の投資家にとっては、
 ビル&メリンダ・ゲイツ基金の市場参入が、
 ゲイツ氏の中国株参入、と同じインパクトがあったことは
 間違いありません。
   ともかく、誤解を招く記述をしてしまったこと、ご迷惑をおかけしてしまったことを
 深くお詫び申し上げると同時に、
 訂正させていただきます。
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