第116回
3日間「会議」で4000万円豪遊、国家電力公司が指弾

中国の企業家による「失踪」について、
欧亜集団元主席の楊斌氏と
華晨中国汽車(ブリリアンスチャイナ、1114)と
関係の深い仰融氏が代表的で、
それを今までに紹介してきました。

そのほか、企業家に限らず、
例えば、汚職官僚や国有企業で
不正を行なった人の「失踪」は、
後を絶ちません。
公金を横領した官僚が海外逃亡する、
というのは一種の「トレンド」で、
中国当局も頭を悩ませているようです。
最近話題になったのは、
中国国家電力公司の高厳・元総経理の失踪事件です。

中国国家電力公司は、
最近でこそ電力業界の再編を経て、
五大発電グループに編成されて、
その一つとなりましたが、
以前までは中国の電力事業を担う
最大のグループでした。
その元総経理である高厳氏が、
汚職をすっぱ抜かれたのが
2002年10月のことです。

国家電力公司は、
国の基幹企業であるだけに、
その総経理を勤める高厳氏も、
全国人民代表大会(国会議員に相当)や
中国共産党中央委員会(与党党執行部幹部に相当)、
地元の吉林省でも副省長や
その他重要な地位を兼任していました。

あるメディアが、高厳氏の汚職を報じた後、
高厳氏はすぐに「失踪」したとされています。
現在でも身柄は拘束されておらず、
海外逃亡説も有力でしたが、
今年7月になって、
中国当局の関係筋から
高厳氏は国内にとどまっている可能性が大きい、
との情報が流れ、話題となりました。
この発表は、中国当局でもこの事件を
必死に捜査をしているとの表れともいえます。

高厳氏「失踪」とも絡んでくるのですが、
今年6月、国家審計署の李金華・審計長は、
全国人民代表大会常務委員会会議で、
国家電力公司が、以前までに、
かなりの不正資金を流用していたことを
明らかにしました。
不正資金の総額は200億元以上に達し、
国家電力公司を通じて、
数十億元にのぼる国有資産が流出したといいます。
同社の幹部は、会議と称して、
五つ星のホテルで宴会騒ぎをし、
3日間の「会議」で300万元(約4000万円)が
水泡に帰したとそうです。
国有企業の最も悪い面をさらけ出した事件でした。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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