第110回
流行語「国企太老、民企太新」の真意を探る
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P株株主の皆様:
今回のコラムは、
一部でP株のリスクの高さを指摘しております。
ここで、今回の見解はあくまでも
私個人の考え方であることを明記させていただきます。
ご了承くださいませ。
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最近、中国では「国企太老、民企太新」という
言葉が使われ始めています。
これは、中国本土のアナリストやエコノミストが、
香港市場に上場する中国企業を端的に表した言葉です。
直訳すれば、
「国有企業は古すぎて、
民間企業は新しすぎる」
となります。
ただ、当然、そこには
いろいろな思惑が隠されており、
いろいろな意味が含まれています。
この言葉がクローズアップされてきたのは、
深センでも中小企業ボードが開設されて、
民間の中小企業が
かなり条件が緩和されたもとでの上場、
つまり資金調達がやりやすくなった反面、
中小企業ボードは上場した
民間企業オーナーなどを
ただ儲けさせているだけの
「賭博場」となってしまっている
とも批判されていることとも関係があります。
遠東生物製薬科技有限公司(0399)が
6月17日に株価が90%以上暴落したのと考え合わせて、
中国の「民間企業は(いろいろな意味で)新しすぎる」
ということです。
これには、「最先端を行っている」
とも受け取れる語感は確かに存在しています。
中国の民間企業は成長性や爆発性などは
確かに備えています。
また、一方で、
「社会の民間企業及び
そのオーナーに対する考え方が追いつかない」
という意味も考えられます。
社会的な概念として「新しすぎる」ということです。
社会に根付いていないということで、
中国の民間企業はどうしても
「不安定」というリスクを負わざるを得なくなります。
「国有企業は古すぎる」というのは、
まさにこの逆になります。
古すぎるから、社会的にも馴染みがあり、
経営もそのために安定する、
さらには国からの支援も受けられる、
ということもその言外に込められている
といえるでしょう。
一方で、「体質が古すぎて」、
官僚的で、機動性にかけ、
歴史的な負の遺産を多く抱え込んでいる、
という意味合いも含まれます。
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