第108回
P株ショックが浙江ガラスや超大現代農業も襲う
遠東生物製薬科技有限公司(0399)は
6月17日に株価が90%以上暴落しました。
この日の初値が0.90香港ドル、
香港証券取引所による
緊急強制取引停止前の株価が
0.068香港ドルなので、
時価総額にして、
458.03百万香港ドルから
34.60百万香港ドルにまで激減しました。
1日で424百万香港ドル、
つまり日本円にして約55億円が
消失したことになります。
P株(プライベートカンパニー銘柄)としても
人気のあった遠東生物製薬ですが、
翌18日に影響が大きかったのは、
そのほかのP株です。
「P株である遠東生物製薬の株価が
暴落したのであれば、
ほかのP株も危ないのではないか」
というのは、
ある意味でやむをえないものであり、
その日の市場は実際にこうした考え方に
左右されたといえます。
民間企業として初めてH株を発行した
フロートガラス生産大手の
浙江ガラス(0739)は
18日の取り引きで、
1.75香港ドルで寄り付いた後、
一時0.55香港ドルまで暴落、
下げ幅は68%以上になりました。
この日は1.56香港ドルで引けていますので、
だいぶ回復したといえるでしょう。
その後、7月になって、
2香港ドルまで上げるようになっています。
浙江ガラスも、
香港証取から株価暴落の原因を
発表するよう指示を受けましたが、
それこそ何も出てきません。
業績も悪くはなく、
目くじら立てるような出来事もありませんので、
ほぼ完全に遠東生物製薬の影響と
考えられるでしょう。
値を急激に戻したところからもそれは明らかです。
また、先進的農業技術で業界をリードする
超大現代農業(0682)も、
同じく18日の寄り付きは2.25香港ドル。
一時1.89香港ドルをうかがいました。
前日比でやはり二桁以上の下げ幅となります。
こちらもすぐに回復、
7月に入ってからは2.3−2.4香港ドルあたりで
推移しています。
ただ、超大現代農業では、
その後により
直接的にこのP株ショックの影響を
受けることになります。
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