第107回
0.90HK$から一時0.048HK$に暴落した遠東生物製薬
薬品生産・プロモーション・販売を手がける
遠東生物製薬科技有限公司(0399)が
6月17日の取り引きで、
株価が90%以上暴落するという出来事がありました。
P株(プライベートカンパニー銘柄)として
遠東生物製薬自身、人気が高かったこと、
相場全体にも激震が走ったこともあって、
ご記憶の方も多いかと思います。
なぜ暴落したのかについて、
7月9日時点で、決定的な要因が不明であることもあって、
まだまだ尾を引く事件といえます。
今回から、この件について、
少し詳しく解説させていただければ、
と思います。
2004年6月17日現地時間午後3時56分、
香港証券取引所は緊急かつ強制的に
遠東生物製薬の取り引きを停止させました。
大引けまで4分あまりでしたが、
それまでに90%以上も下げてしまえば、
値幅制限のない市場とはいえ、
香港証取の判断はある意味で正しかったといえます。
この日、遠東生物製薬は
0.90香港ドルで寄り付いています。
前日の終値が0.91香港ドルですが、
若干低い初値となりましたが、
まあ、普段と変わりなく
取り引きを始めたといえるでしょう。
ただし、その後急落します。
最安値は実に0.048香港ドル、
初値の18分の1になったことになります。
結局、香港証取の緊急強制停止を前に、
0.068香港ドルまで、何とか値を戻しましたが、
それでも大暴落です。
香港証取では、その日のうちに、
遠東生物製薬に対して、
株価暴落の原因について、
公式発表を行うよう指示を出しています。
これについて、遠東生物製薬は、
一応調査を進めたようですが、
当初の同社上層部のコメントは
「特別思い当たる点はない」
(JPモルガンチェース取材)
というものでした。
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